HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
カワサキ ゼファー1100(1992年)の基本情報
オーバー750cc解禁後、初のリッターネイキッドが「ゼファー1100(ZRT10A)」
400cc以下の中型クラスでネイキッドブームが巻き起こり、加えて、1990年春に国内でオーバー750ccが解禁されたことで、リッタークラスにもネイキッドの風が吹き始めたのが90年代の半ばにかけて。その先陣を切ったのが、ゼファーシリーズ最後発、かつ最大排気量のゼファー1100(ZRT10A)だ。この後、水冷のCB1000SF(SC30)や、1994年のXJR1200(4KG)とGSX1100Sカタナ(GU76A)と各メーカーのリッターネイキッドが顔を揃えていくことになる。
ベースとなっているのは馴染みの薄い輸出モデル・ボイジャーの水冷1200ccエンジンで、これを空冷化。排気量は1196ccから1062ccへとダウンされ、エンジンの負荷と回転数を検知し3次元で最適の進角特性を得るDIALS(※)とツインプラグを採用することで、93ps/8000rpmを発生した。足回りは前後18インチホイール、日の字断面のアルミスイング―アーム、フロントダブルディスクに対向4ポットキャリパーなどと、性能的には十分以上のものを備えた。外観イメージはゼファーシリーズに共通したZ2を彷彿とさせるもので、やや丸みを帯びたゼファー750よりも、ゼファー400に近いものとなった。
バリエーションモデルとして、1996年にスポークホイールのゼファー1100RSが追加されたが、2007年のファイナルモデルまで大きな変更はなく、15年もの間、カラーリングのみの変更でラインナップし続けた、ある意味長寿モデル。1997年に水冷のZRX1100(ZRT10C)が登場したことで、フラッグシップはこちらに移行してしまった感があるが、「基本を変えず、素材を磨く」というゼファーシリーズのポリシーを貫いたと言っていいだろう。長い歴史に幕を閉じてしまったが、これからもカワサキ・空冷ファンを魅了し続けることだろう。
※DIALS=デジタル・イグニッション・オートマチック・ロード・センサー)
- このページはカワサキモータースジャパンのご協力を頂き製作しています
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