HISTORY ~時代を彩ったバイクたち~
ヤマハ シグナスX(2001年モデル)の基本情報
原付2種スクーターカスタムで人気を誇った「シグナスX(SE12J)」
1990年代から2000年代前半は、アドレスV100(CE11A・CE13A)やグランドアクシス100(SB01J・SB06J)といった2ストスクーターが圧倒的な人気を誇っていた原付2種クラス。その一方で4ストスクーターも健在で、2005年に登場したアドレスV125・アドレスV125G(CF46A)は、瞬く間にクラストップの座を奪っていった。そのライバル車であるシグナスX(SE12J)は、台湾仕様に加え2003年に国内仕様も登場し、カスタムベースとしても人気となり、前モデルのシグナス125SVとはまったくキャラクターが異なるスクーターとして進化した。
グランドアクシス100とほぼ同サイズの車体に、新設計の4バルブヘッド&メッキシリンダーを採用したエンジンを搭載。前後12インチタイヤ、フロントディスクブレーキ、リア2本サスと足回りも充実しており、ビッグスクーターと同様のノーズ部にライトを配置したデザインはスタイリッシュで、それまでの実用志向的なデザインとは一線を画したものだった。エンジン、給排気系、足回り、外装とカスタムパーツが豊富なのもシグナスXの特徴で、それまでの4ストスクーターにはない楽しみが味わえる。まさにグランドアクシス100の後を担っていく原付2種スクーターとなったのだ。
シグナスX(SE12J)は台湾ヤマハで生産され、台湾仕様は並行輸入で日本国内でも流通しているのはご存知のとおり。外観上はメーターやライトスイッチの有無程度の違いで、ほぼ同じ。しかし、国内仕様はキャブのみなのに対して、台湾仕様にはキャブとインジェクション(FI)が存在し、出力特性も異なる。モデルチェンジ後のSE44J型でも国内仕様と台湾仕様があり、国内仕様にはないカラーリングも存在することから、同じシグナスXでも選択肢の幅が広いのが人気の要因のひとつでもある。「足」としての使い方はもちろんのこと、「遊び」としても楽しめるシグナスX。4ストスクーターの新たなポジションを築いたモデルと言えるだろう。
- このページは株式会社ヤマハ発動機のご協力を頂き製作しています